機械加工システム研究室
担当:乾 保之
| 機械加工技術は時代と共に大きく進歩し、高精度・高速化、さらにシステム化が進み、大きく加工技術が変化してきています。 当研究室では如何に精度良く、また能率的に加工するかが研究の課題です。 現在、溶射超硬、サーメットあるいはセラミックスなど難削材の切削・研削現象の解明、複合砥粒によるポリシング、 精密加工の大きな因子と考えられる工具/被削材の微小量変形が加工精度に及ぼす影響など、さらに特殊な穴あけ用ドリルの開発、 切削環境の改善を目指した研究など、幅広く実施しています。 皆さんにとって一年間の卒業研究はこれまでの受身の勉学姿勢から自主的・積極的・能動的へと変身するための良い機会です。 そのためには「夢」を持ち "何のために卒業研究を行うのか?"を常に自問自答しながら、研究することの楽しさを語り合いましょう。 |
| 卒業研究題目 | 研 究 内 容 |
|---|---|
| 【T】 NiCr系溶射皮膜の機械加工に関する研究 1) 切削・研削加工性について 2)単粒引っかき切削による破壊挙動について |
溶射法によって生成される皮膜は微細な溶融粒子を高速で基材表面に吹き付けて積層させた組織であるために,扁平化した微細粒子の積層構造となっている.したがって,積層粒子間の結合性にむらが生じやすく,また部分的にではあるが微細な気孔の存在や異方性が指摘されている.このような特殊な構造を有する皮膜表面を機械加工した研究報告は少なく,溶射皮膜の構造が加工特性に及ぼす影響については未知の部分が多く,特に精密加工を施す場合には組織の影響を無視することはできない. 本年度はCr3C2系溶射皮膜の皮膜組織が切削・研削加工性に及ぼす影響を明らかにするために,旋削並びに平面研削方式で実験を行い,切削・研削抵抗,ならびに加工面状態の変化,さらに,加工機構を明らかにするために単粒引っかき切削実験を行い,加工機構を詳細に検討する. |
| 【U】 傾斜面の穴あけ加工に関する研究 1) ドリルの剛性が変形機構と穴精度について 2) CAE法試作ドリルの穴あけ時の変形状態 |
ドリルによる穴あけ加工は一般的によく行われる切削加工の一つである.しかし,傾斜面に対する穴あけ加工では,ドリルの片刃当たりや振れ回りにより穴精度の低下,ドリル寿命の低下を招く.本研究では,穴明け精度の向上と,穴あけ工程削減による加工時間の短縮とコスト削減を目的とした,新型ドリルの開発を行う. 本年度は,試作新型ドリルと普通ドリルを用いて,傾斜面の穴明け加工を行い,研削抵抗,について比較検討し,有効性の検討を行った.さらに、加工機構をCAE法により解析を行い、加工時のドリルの変形並びに加工精度に及ぼす影響について検討し,有効な切れ刃形状の検討を行う. |
| 【V】 切削環境の改善に関する研究 1) 切削現象に及ぼす環境の影響 2) 切削急停止による二次元切削機構の検討 |
地球環境保護が叫ばれる中、機械加工の分野においても環境破壊につながる事例が多く存在している。その1つとして、切削環境の改善が取り上げられる。すなわち潤滑・冷却剤として使用される大量の廃液(化学物質、油など)である。現在多くの研究者によって、環境対応加工技術について研究され、現場においても試みられている。また、この問題は単なる環境問題だけでなく、高速化に対応する技術として捉えられる。しかし、現状では現場のすべての要求に完全に応えられる環境対応加工法が完成するまでには至っておらず、さらに今後の研究が必要である。
本年度は、現状の環境対策技術を検証し、基礎データを蓄積し、新たな改善策(生活用水を用いた霧化雰囲気中における切削)を検討していくことにある. |
| 【W】 高分子ポリマー・ダイヤモンド複合研磨剤による研磨 1) 回転方式による場合 2)往復方式による場合 |
近年,電子部品材料の表面加工の高速化と高精度化が望まれている.現在は金属板,バラス板,各種のクロスなど,いろいろの材料が基盤として用いられている.特に仕上げ工程においては,弾性変形を有したクロス基盤がよく用いられる.しかし,周辺だれを生じるなど問題点も多い. これまでに,ポリシング加工は研磨剤としての砥粒と研磨液を混合して用いての加工が主体である.そこで,加工時に平面の硬質材料の基盤と材料との間にある程度の弾性を与えつつ,加工できるようにするために,球状のポリマーと砥粒を複合させた研磨剤を開発し用いれば,その問題がある程度解決できると考えられる. 本年度は,詳細な検討に加え,加工効率の向上を検討する. |
| 主 な 研 究 用 機 器 | |
|---|---|
| 工作機械 | 汎用旋盤 2台(昌運カズヌーブ旋盤, 大隈LS旋盤) フライス盤[横形(OKK)、縦型(日立精機)] 工具研削盤、 両頭グラインダー ポリシング研磨盤、 直立ボール盤、 卓上ボール盤 |
| 測定機器 | 表面粗さ測定器(小坂式)2台 真円度測定器(Mitutoyo) 動ひずみ測定器、直流増幅器 FFTアナライザー、シンクロスコープ AE解析装置(Uプロット) など |
| その他 | 金属顕微鏡 、 顕微座標測定器 3D−CAD 、 CAE(構造解析) A/D変換装置 など |
Last Update;2007/04/10
平成19年度機械加工システム研究室