学科概要

機械工学の根幹を成す教科目は、4力学、すなわち流体力学熱力学機械力学材料力学とされています。本学科も、4力学を教科目として設けていますが、従来の機械物理学的な位置付けだけには留まらない教育を目指しています。社会に貢献できる実機械を生み出すため、その基礎となる機械工学的精神はもちろんのこと、制御や材料の知識も重要視しています。本学科では基幹科目を4力学に制御工学材料工学を加えた計6教科に設定しています。そして、これら複数の基幹教科目を束ねるため機械設計・製図・機械工作法を土台と設定し、本学科の機械工学の基盤が形成されています。

その理由は、近年、入学生の科学技術に対する関心事は多種多様に渡り、単純なカリキュラムだけでは学生の学業成果が評価できない状態にあるからです。つまり、様々な興味を持つ学生のために、これまで補助的教科目であった科目を主要教科目として位置付けることで、学生の主体的な学習をより一層促し、高いレベルでの学業成果が評価できると考えています。

また、現代の社会的ニーズに応えていくことも重要視しています。単なるホビーキットによる組み立てで終わるのではなく、「高齢者のための介護ロボットを作製する」といったように、使用対象や目的を明確にした上で、実社会に貢献できる知識や技術を一から学んで実践することが社会に求められています。本学科では、基幹科目の習得を通して、この「ものづくり」に関する戦略を学んでいって欲しいと考えています。

以上の本学科の将来構想案を簡略化したものが、下記の図です。教員人事や研究室配分は、この図に示された教科目を重視して行っています。また、獲得した研究費を最大限に有効活用し、研究内容の充実を図ることも学科全体で心掛けています。