学部教育

機械工学を取り巻く状況

科学技術の大半を占める機械工学の技術は、広い分野で活用されています。ロボット・工作機械・建設機械などの産業機械、自動車・鉄道・船舶・航空機・ロケットなどの輸送機械はもちろんのこと,IT機器・福祉機器などの分野、食品・薬品製造分野にまでおよんでいます。この幅広い分野において機械工学は基盤技術と位置付けられており、機械工学への期待や要求はますます高まっています。このため,近畿大学理工学部機械工学科では「ものづくりの中核を担う機械技術者の育成」が急務であると考えています。一方で、社会へ目を向けると機械のない生活など想像できないほど、機械技術は隅々にまで浸透しています。機械工学では機械を作るだけでなく、誰がどのように利用するのかを綿密に調査・想定し、人・社会への影響も考えた幅広い配慮が必要となります。このような様々な配慮はチームや組織で対応すべき重要課題でもあります。さらに、最も難しい点は、背反要求(自動車の軽量化と衝突安全性=安全、エンジンの高出力と低燃費=環境、など)を満足する解決策を提案し実現することにあります。

教育目標・育成する技術者像

近畿大学理工学部機械工学科では、機械工学への社会的欲求から、

(1)
社会で通じる教養で自ら倫理的行動を常に考え、
(2)
問題解決のための幅広いコミュニケーション能力を有し、
(3)
社会的ニーズに応えて問題発見・解決能力を活用し社会貢献できる

機械技術者の育成を目標としています。
本学科は学生の皆さんに『ものづくりの中核をなす機械技術者』になってほしいと大きく期待しています。

カリキュラム編成: 機械工学

本学科は、『ものづくり』の中核をなす機械技術者になるために、『設計能力』『問題発見・解決能力』『生産技術・管理能力』の3つが大切な基本と考えています。そのため、設計製図の基礎、3次元デジタル設計技法を含むCAD(設計)/CAE(評価)/CAM(生産)技術、設計・生産に関する知識を幅広く教育し、実践的な設計(=設計能力)を学ぶカリキュラムを編成しています。また、「材料力学」「機械力学」「熱力学」「流体力学」といういわゆる機械工学の根幹をなす4力学に「材料工学」「制御工学」を加えた基幹6分野を機械工学の基礎としています。基幹6分野では、演習・実験・実習を通じて学生自ら体験して学習するカリキュラムです。具体的な問題を通じて機械工学における問題への対処方法(=問題発見・解決能力)を体験し学ぶことができます。基幹6分野に加えて応用実学(例えば「品質管理」「数理計画法」「計測工学」など)を通じて、ものづくりを効率よく円滑にすすめるための能力(=生産技術・管理能力)を高めます。

カリキュラム編成: 倫理・コミュニケーション

さらに、社会への幅広い配慮ができる機械技術者育成のため倫理に関わる教育を行っています。また、どの分野でも要求されるコミュニケーション能力を習得するため、演習・実験・実習におけるレポート(リトゥン・コミュニケーション)そしてプレゼンテーション技術やTOEICの高得点を目指す英語教育(オーラル・コミュニケーション)にも力を入れています。