本学科のJABEEプログラム

概要と沿革

JABEEについて

JABEE(1)は、大学など高等教育機関で実施されている技術者教育プログラムを社会が求めている水準を満たしているかどうか外部機関が審査し、要求水準を満たしている教育プログラムを認定する専門認定機構です。すなわち、JABEE教育プログラムは国際的な技術者としての資質を確保するためのものです。

JABEE教育プログラムの特長

JABEE教育プログラム (当学科では、機械工学コースがJABEE教育プログラム) は卒業後、企業あるいは大学院での活躍を支援するプログラムです。このカリキュラムの特長は、機械の設計・開発に対する高いレベルの技能の習得を目的として編成しています。実社会で設計や開発部門で活躍できる機械技術者の育成をめざしています。
また、本教育プログラムは、FE試験(2)に合格できることも目標の一つです。
これまでに機械工学科は、およそ10、000人を越す卒業生を京阪神地区を中心とした地域ならびに国内外各地域の製造業、サービス業などに送り出している。 育成する技術者像は、理工学部の教育理念と目標に基づき、「専門技術の展開能力、問題解決能力および情報収集と発信を行う能力の習得により、国際性の豊かで将来社会人として責任ある行動をとれる、幅広い視野と人間観、社会観を持った機械工学技術者の育成」をめざしている。 学習・教育目標の特徴は、「ものづくり教育」に重点を置き、ものづくりの基本となる製図能力を重視し、自らの設計に基づく手書き図面から3D-CAD図面に至る一貫した能力を習得し、設計から生産にいたるすべての場面で発揮できることを目標としていることにある。

JABEE教育プログラムを希望した場合

成績の評価については、定められた科目の全出席を前提としており、学習・教育到達目標が設定されています。機械工学コースの学生は、定められた水準を満たすことが求められます。
2年次にコース分け(機械工学コース、知能機械システムコース) を行い,機械工学コースがJABEE教育プログラムの履修者となります。このプログラム履修者は希望により決めますが、3年次になるまではプログラム変更(転コース)が可能です。それ以降はできません。ただし、学習意欲に欠けると思われる者は3年次までにプログラムからの変更を薦めることがあります。JABEE教育プログラム受講者は、JABEE教育プログラムのめざす教育システムに沿いながら、プログラムで定めた科目を受講して、JABEE教育プログラムで定めた規定でプログラム修了と卒業判定を行います。
卒業時には、近畿大学理工学部機械工学科JABEEコースの修了証明書を発行します。

JABEE教育プログラムの沿革

当該プログラムの過去4年間の経緯は、次のとおりである。2002年度は、理工学部の大幅な改組にともない、本学科でもコース制(機械工学コース、知能機械システムコース、機械材料工学コース)と昼夜開講制度を導入し、国際的な共通資格取得に向け、JABEEプログラムに対応した機械デザインプログラムを開設し、時代に即したカリキュラムを編成した。2004年度には、これまでの機械工学コース、知能機械システムコースに加え、機械デザインプログラムを機械デザインコースとして学則に明記し、3コース体制とした。いずれも学科がめざす教育目的・目標を踏襲しつつ、継続的改善を行っている。

2002、2003年度入学生(2002年度学部改組)

機械工学コース

機械工学の基礎となる材料力学、熱力学、流体力学、機械力学などに加えて、ものづくりに必要な設計工学、加工学をはじめ自動化・省力化を図るための機械制御工学、電気電子工学、機械情報工学などの幅広い領域について、3D-CAD/CAMを含めた実験・実習を通して習得する。

知能機械システムコース

機械システム工学、人間工学、システム制御工学、ロボット工学、知能機械工学、機械情報工学などの講義に加え、豊富な実験・実習、演習を行い、知識・能力の習得を図る。

機械材料工学コース

機械工学の基本教科目をはじめ、機械構造材料学、マイクロマシン工学、セル型ロボット工学などの自動化機械、分子レベルでの材料評価学、材料プロセス工学などの講義、実験・実習、演習を行い、知識・能力の習得を図る。
これら3コースに加えて、2002年度から「機械デザインプログラム」を履修する機械デザインコースを設定し、このプログラムの履修を希望する学生の募集を行い、本年度で4年目となる。

2004、2005年度入学生(3コース制)

さらに2004年度には、「機械材料工学コース」を廃止し、「機械デザインプログラム」を踏襲して、新しく「機械デザインコース」を設置した。

機械デザインコース

国際的に通用する技術者教育を目指したコースである。国際的な技術者共通資格JABEE取得に向けたカリキュラムでは、教養豊かな人間形成とともに自然科学や情報技術など工学的な基礎知識を習得した上で、最先端の機械工学および材料工学に必要な専門知識を学ぶ。特にものづくりの基本となる製図能力を重視し、自らの設計に基づく手書き図面から3D-CAD図面にいたる一貫した技術を習得する。専門技術の展開と問題解決の力、情報発信の力、そして国際性をしっかり身につける。

2011年度入学生以降(2コース制)

2011年度には、「機械デザインコース」と「機械工学コース」を統合し、「機械工学コース(機械工学コース日本技術者教育認定機構認定プログラム)」とした。これにより、機械工学科は「機械工学コース」と「知能機械システムコース」の2コース制となった。

関連する他の教育プログラム(関連学科、関連コース等)との関係

当該プログラムは、機械工学科に設置されている機械工学コース(メカニックスの基礎から先端領域まで実践的に学ぶ)、知能機械システムコース(メカトロニクスの未来、人間に適合した機械技術の可能性を追究)と関連して、ものづくりの知的エキスパートとして、21世紀の科学技術の課題を展望し、解決できる技術者の育成をめざしている。 さらに、大学院総合理工学研究科メカニックス系工学専攻、東大阪モノづくり専攻と連携して、当該プログラムを習得した学生に、科学技術の総合化や学際化の急速な進展に対応できる高度な総合的知識と適切な判断力や豊かな創造性を持つ専門的職業人、研究者を育成する道を拓いている。

(1)
JABEE (Japan Accreditation Board for Engineering Education) は 日本技術者教育認定機構の略称で、1999年11月に発足しました。
(2)
FE試験 (Fundamental Engineering Test) は国際的に通用する技術者資格の代表であるPE試験 (Professional Engineering Test) を取得するための前提となる第一関門の試験です。あらゆる工学系技術者に共通の基礎的な能力を有しているかを問う試験です。

本学科のJABEEプログラム